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検査

茅場町いとう医院では、不妊症検査として、以下の各項目を実施しております。

1.脳下垂体ホルモン検査(月経周期2-5日に施行します)

・卵胞刺激ホルモン(FSH):卵胞の発育を促すホルモンです。
→高値(10Miu/ml以上)の場合は卵巣機能の低下が疑われます。

・黄体化ホルモン(LH):成熟卵胞からの排卵を促すホルモンです。
→高値(LH>FSH)の場合は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性があります。

・プロラクチン(PRL):乳汁の分泌を促すホルモンです。
→高値(15ng/ml以上)の場合はFSHやLHの分泌を障害し、排卵障害や黄体機能不全をおこす可能性があります。また、50ng/ml以上では脳下垂体腫瘍の可能性もあり、MRI検査など精密検査をお勧めいたします。

2.免疫学的検査

・抗核抗体:受精卵の発育障害や着床障害、習慣流産をおこす可能性のある自己免疫性疾患の初期検査です。

・抗精子抗体:陽性の場合、精子の子宮頸管での通過性や子宮内から卵管への通過性が障害されることがあり、体外受精が必要となる場合もあります。

・抗ミューラー管ホルモン(AMH):卵子は生まれる前に作られ、卵巣内に原始卵胞が保存され、新しく作られることはありません。ここから卵胞が発育し、排卵します。AMHはその発育中の卵胞から分泌されるホルモンです。卵巣内でまだ発育していない原始卵胞が少なくなるとAMHの値は低下します。加齢とともに低下しますが年齢以上に卵巣機能が低下している場合もあります。AMHを調べることにより卵巣年齢を知ることができます。これは卵巣予備能の目安となるものです。

また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方は排卵しにくいため、卵巣内に多数の卵胞がたまり年齢より高値となる場合があります。

3.糖尿病関連検査

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方や肥満傾向の方などは糖尿病を合併している可能性があります。
→空腹時血糖、インスリン、HbA1cなど測定します。

4.子宮卵管造影

基本的には、妊娠の可能性を否定できる月経終了から排卵前に施行します。
子宮頚部から子宮内へヒスキャスという細いカテーテルを留置し造影します。
子宮の内腔の形状や卵管の通過性、卵管周囲癒着の可能性を検討します。
→合併症として骨盤腹膜炎(PID)の可能性があります。

クラミジア感染は誘引となるため、事前に子宮頚部のクラミジア抗原検査にて陰性であること(陽性の場合は治療後であること)を確認しています。
なお、当院ではこの検査はできませんので、必要な場合は近隣の検査可能な施設をご紹介いたします。

5.精液検査

不妊原因で女性のみに原因がある場合は約40%、男性のみに原因があるもしくは男女ともに原因がある場合は45%(原因不明が15%)といわれております。
つまり不妊の約半分は男性側になんらかの問題があるとされ、男性も検査を受けられることをお勧めいたします。数日間の禁欲後(7日以内がよいです)、お渡しする容器にご自宅で精液を採取し医院に持参して頂きます。採取2時間以内に持参していただくことが望ましいです。
→結果が良くない場合、1ヶ月程度後に再検査を施行します。
→性状悪化の原因は精索静脈瘤、前立腺炎、ホルモン異常、喫煙などがありますが、原因不明も多いとされております。

喫煙は精液性状の悪化原因となり、禁煙により改善する可能性があります。
女性の不妊原因になることも明らかになっており、男女ともに禁煙をお勧めします。
結果不良の場合、泌尿器科での精密検査をお勧めする場合もあります。
→産婦人科的には(状態によりますが)人工授精や顕微受精の対象となります。